店主かとうみどり的日常

* 2007年3月26日(月) 春まつり
* 2007年3月8日(木) カマタスエコさん
* 2007年2月25日(日) りんちゃんの丸太サンド
* 2007年2月12日(月) 凛として
* 2007年2月4日(日) ガトー・ショコラで考えること。

2007年3月26日(月) 春まつり
紅茶グマ焼菓子工房、「春まつり」は、無謀にも「食べ放題」です。

前からやってみたかったのですが、「大変なんじゃない?」と、
みんなから、なかなかOKがもらえず、早5年。
そして、やっとこさこの週末、その念願の食べ放題企画をやれることになりました。

いったいどのくらい作ればいいの?
ギャル曽根ちゃんみたく、道場破り系のお客さまがきたらどうなるの?
など、数々の不安から、本当に、不安からです...パパとふたり、本日、食べ放題のシミュレーションをやってみました。
まず、ふたり向き合って、レモンのオペラ、チョコレートのシュー、
マンダリンオレンジのムース、フランボワーズのムース、そして洋梨のタルトレット。
まずは、礼儀正しく一礼してから、静々と...5種類のケーキを、お皿にのっけて、一気食いしてみました。
そして、恐るべき結果に、愕然としました。

「ねえ、私、まだ全然食べれるかも...」
「うん。ボクも平気」
「これじゃ、物足りないよね」
「当たり前だ!まだたった5個じゃないか!」
「たった...そ、そうだね。5個だもんね!」

きょわい。ケーキを5個食べても全然へっちゃらな私たち...
たぶん10種類は軽くいけてしまう。
そんなこんなで、ますます不安になり、もっと作った方がいいのかな...と、
この期に及んで、再び、ケーキとにらめっこを続けています。

ご来店くださるお客さまには、いっぱい食べていただきたいので、
3月30日、31日、そして4月1日は、二十数種類のケーキをご用意する予定です。
ババロワズ、シュー、タルト、パイ、モンブラン、チーズケーキ、そしてスコーン。
複雑な構成のものからシンプルなものまで、小さなショーケースに
たくさんの春らしいケーキを並べる予定です。「春まつり」の詳細と種類は、こちらをご覧ください。

小さなテーブル3席のみですので、予約制とさせていただいております。
30、31日は、すでに満席となっておりますが、4月1日の日曜日には、まだ余裕がありますので、ぜひぜひお問い合わせくださいませ。

メールお待ちしております!
No.169


2007年3月8日(木) カマタスエコさん
3月1日、午前中の教室がなごやかに終わって、お昼休みにパソコンを開き、カマタスエコさんの訃報を知りました。

あまりに突然で、全然信じられなくて、知り合いの方にメールを出したり、友だちに連絡を取ったりして、詳細を確認しました。
それで、2月28日のお昼頃、クモ膜下出血で急逝されたことを知り、本当に真っ白になるというのはこういうことなのか...と、思いました。

3月3日の夕方、教室が終わってからお通夜に行って、カマタさんに会ってきました。

本当に、カマタさんはそこにいました。
それまで、どうしても信じられなくて一粒の涙もこぼさなかったのに、突然涙があふれてきて、友だちとふたり、抱き合って子どものように泣きました。
どんなに、泣いても泣いても、誰もカマタさんを呼び戻せない。
私はカマタさんにあんなにお世話になったのに、なにひとつ、お返しすることができないまま、カマタさんは逝ってしまわれました。

紅茶グマには、カマタさん手作りのクリスマスツリーがあります。カマタさんが紅茶グマの初めてのクリスマスの前に作って、プレゼントとしてわざわざ届けてくれたもので、私たちは「カマタツリー!」と呼んでいます。
カマタさんのお誕生日に、みんなでクロカンブッシュを作り、シャンパンを開けてパーティーをして、大盛り上がりに盛り上がったこともありました。

カマタさんのことで、たくさんの方がこの紅茶グマのサイトを訪れてくださっています。
パパがカマタさんのネット供養をしてあげよう、と言って、私も、カマタさん、きっとそういうことをしてあげることぐらいしかできないと思って、亡くなったことを何度も書こうとしたのですが、どうしても、途中で涙があふれてきてしまって、こんなにも悲しいのに、自分が書く言葉は、なんて薄っぺらいんだろう、なんて情けないんだろう、と、どうしてもここにアップする気になれませんでした。

でも、今日、教室で、ひとりの生徒さんが、
「あの...カマタさんが...」と言われ、カマタさんのお話になりました。
彼女は何年も前からカマタさんの日記を読んでおられて、カマタさんのお料理や文房具についての紹介が大好きだったとおっしゃっていました。
後から後から、カマタさんの話がこぼれてきて、生徒さんは涙を浮かべていらっしゃいました。
カマタさんの日記を見て、紅茶グマを知り、教室にきてくださったり、通販の注文をしてくださったりした方がたくさんいらっしゃいます。
本当にあったかくて、面倒見がよくて、肝っ玉があって、でも実は繊細で...
時間がたてばたつほど、カマタさんは遠くにいくどころか、私の近くにいるような気がしています。

カマタさん、今までいっぱいありがとう。
私は、カマタさんがよく言ってた、口福なお菓子を作るよ。いっぱい作るよ。
だから、どこかで見ててください。
涙はそのうち乾くし、この空っぽな、どこかが切り取られてしまったような感覚にもいつかは慣れるでしょう。
でも、それは慣れただけで、欠けた部分が戻ってくるわけじゃない。忘れるわけじゃない。
だからこそ、これからの生き方を大切にしなければ。そう思っています。

そして、たくさんの方から、いろいろなメッセージをいただきました。
本当にありがとうございます。すべての方にお返事を書くことは、まだできていませんが、
みなさまのお心遣い、本当に感謝しています。

私は生きています。それがどんなに大切なことか...当たり前のように思っていたけれど、今はそれが身に沁みています。

いろいろんなことに気づかせてくれたスエコ姉さん、やっぱりあなたは、私のお手本です。
やっとここで、言えそうです。

さよなら、カマタさん。ご冥福をお祈りいたします。
No.168


2007年2月25日(日) りんちゃんの丸太サンド
遅れに遅れている冬のヴァリエテですが、なんとか1/3量の出荷をさせていただきました。
まだお届けできていないお客さま、申し訳ございません。
来週にまた1/3の発送をさせていただく予定ですので、もう少々お待ちくださいませ。

そして、今日、インターネット上でのお客さまの発注が終わって、ホッとひと息…のはずなんですが、まだ、こちらで年間を通しておこなっている、お菓子教室の2007年度の教室のメニューの発表をおこなっておりません。
2007年度から、ちょっと方針を変更させていただこうと思っています。

代官山イル・プルー・シュル・ラ・セーヌで私が学んできたフランス菓子を引き続き作り続けていくのはもちろんですが、そのほかに、自分で味わってきたビストロのデセールの再現や、昨年に引き続き、紅茶グマ焼き菓子工房のオリジナルのお菓子なども、メニューに少しずつ取り入れていきたいと思っています。
実際にやってみないと、どうなることやら、わからなかったりする気弱な私ですが、もし余裕があれば、単発でのご参加も、お願いする機会があるかと思います。
よろしくお願いいたします。

おいしいお菓子を作るのは、そんなに難しいことではないような気がします。
材料をきちんと計量して、ちょっと自分で失敗したりしながら、コツさえつかめば、そこそこのものは、たぶん大丈夫です。
ただ、そこに、「おかあさんが作ってくれたホットケーキ」とか、「〇〇ちゃんがプレゼントしてくれたガトーショコラ」、みたいなものが上についてしまうと、もう、誰も太刀打ちできないものになってしまいます。
それは、少し焦げていようが、膨らみが悪かろうが、とてつもない特別感が生まれてしまうので。

かく言う私も、今日のランチ、「丸太?」と、ゲラゲラ笑いながら、次女の作ってくれた、キューカンバサンドを食べました。
大笑いしていたけど、小学2年生、強風の中、ピンクのジャンパーにマルシェカゴと言う、微妙なイデタチで、スーパーにひとりで買い物に出向き、自分でパンを切って、きゅうりを丸太のように太く縦に切った、丸太サンドイッチ。
一緒に食べるはめになった、スタッフのシムちゃんには申し訳なかったけど、これ、私的には、かなりやられちゃいました。
手作りって、やっぱり世界最強。
サンドイッチを食べながら、できれば、みなさまのこういうお手伝い、これからもやらせていただけたら…と思った次第です。
No.166


2007年2月12日(月) 凛として
今日、中目黒の石丸館にランチに行きました。

まずアミューズから、ウニのジュレ寄せを出していただいて、みんな大感激。
続いて、我儘を言ってお願いしておいた、日本で石丸シェフしか作れないという、フォアグラのブリオッシュ包みがアントレ、そして、お魚はアマダイ。こんな風にお魚が料理できるようになれたら…と、うっとりさせられてしまいました。

お肉は、これも事前にお願いしておいた、ジビエで鹿です。鹿のお肉そのものがおいしいのは当たり前ですが、一緒に出していただいた鹿のパイ包みも、それはそれはおいしくて、みんなお皿に向かっている時は、本当に言葉を失ってしまう始末。
そしてデセールは栗のムースとみかんのソルベ。
サービスをしてくださるマダムに、私は思わず、「メルシー」と言ってしまいそうになって、「ハッ」としました。
石丸シェフのお料理をいただいている間に、なんだか自分がパリにいて食事をしているような、そんな気分になっていたのです。

「かんたんに、料理をまずいなんて言ってはいけないよ。フランスで料理したら、きっちり作れば、きっちりと答えがでるけれど、日本で再現するとなると…」と、石丸シェフが、フランス料理を日本で作ることの難しさを、聴かせてくださいましたが、これは、石丸シェフでなければ、わからないご苦労があられての言葉だと、しみじみ思いました。

本物を知りつくした石丸シェフが、いろんなものと闘いながら、食材を確保なさって、この味にたどり着き、この白いお皿に料理がのって、このテーブルに出していただけるまでに、どれだけの積み重ねが必要だったか…そう考えると、本当にものすごいことだと思います。
そして、それを、こうやってみんなで囲める幸福。

石丸シェフ、マダム、ありがとうございました。
うるさくして、ごめんなさい。
シェフの厳しさ、正直ビビリの私は怖くて怖くて、ド緊張してしまうのですが、また、寄らせていただきます。

おいしいものとは、どういうものか、ちゃんと心と身体に刻みこむためと、自分に活を入れるために…。
No.165


2007年2月4日(日) ガトー・ショコラで考えること。
今週の教室、チョコレート強化月間第2弾、お題は、ガトー・ショコラとチョコレート・プリンでした。

作り方はシンプルなので、みなさん上手に作っていただけたと思います。
ガトーショコラ、食べるのは、焼きたての今日はやめて、明日以降にしてくださいね。と、お願いしたら、おひとりの生徒さんが、試食にお出ししたガトーショコラを慈しむような、優しい眼差しで、
「これ、食べないで持って帰って、家族とわけていただいてもいいですか」とおっしゃいました。
その言葉に、なんだか、「ハッ」とさせられてしまいました。
きっとお嬢さんが、お母さまがグマで作ってくるガトー・ショコラを楽しみに、待っていらっしゃるんだろうな…Tさんって、なんて優しいお母さんで、なんてかわいいおじょうさんなんだろう!そう思うと、胸が熱くなりました。

お菓子でもお料理でも、慈しみを持って作られたものを、食べて育ったひとは、きっと心に温かいものを持って大きくなっている。そんな気がします。
日常で忙しければ、外食が多くても、簡単なものでも、いいと思います。
でもたまにでいいから、慈しみの心のこめられたもの、作って食べさせてあげられたら、それが家族にとっては、最高のご馳走になるんじゃないでしょうか。

紅茶グマのお菓子も、生徒さんたちの、そんなお手伝いができたら…と、よく思います。
最近、もうちょっとシンプルでおいしいものってないのか?と、思うようになってきました。
楽したいから…と、言われそうだけど、そんなことありません!
自分が上手に作れても、生徒さんが上手く作れなければ、そんなお菓子、まったく意味がないから、考えて考えて試作を繰り返して、それはそれで生みの苦しみがたくさんあります。
そうじゃなくて、あまり技術がなくても、おいしいものができて、みなさんに喜んでいただけたら、こんなうれしいことはありませんから。

あ、言い訳がましいですけど、もちろん難しいお菓子も、作りたいですよ、ハイ。
No.164


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