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| 6日目 パリへ |
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私たちはコルマールから、ストラスブールに再び戻り、パリ行きの列車に乗り込みました。 フェルベールさんのところに、たくさんの卵やヒヨコのチョコレートが飾ってあって、アミが、 「なんで、こんなにたくさん卵チョコばっかあるの?」 「パックだよ」 「パック?」 そう、パック(pâques)、日本語で言えば、復活祭が近かったのです。 それは、クリスチャンではない私にとっては、あまり関心がなく、実際に利害関係はないもの、と思っていましたが、なんと、こんな形で大変な目に遭うとは...と思う出来事が。 パックのため、学生がお休みになり、パリ行きの列車は大混乱。私達に座る座席などなく、私たちはやっと列車と列車の間の隙間に、なんとかスペースを見つけて、座り込みました。 そして、4時間後、やっとパリ東駅に到着しました。 すぐに、3人でタクシーに乗って、ホテルへ。 ホテルは、カルチェ・ラタンのはずれで、「パリの胃袋」ムフタール通りが近くにあるキッチン付きの部屋。週に何回か出る朝市もあって、食材が豊富に手に入ります。 キッチンと、あきちゃんの部屋、そして私とアミの部屋があって、バス、トイレも付いています。 私たちは大興奮で、さっそく暗くなったパリの街に飛び出していきました。 目指すはカルチェ・ラタンのサン・ミッシェル。学生街で安いレストランやお土産物屋さんが並んでいます。 何か夕飯を食べよう、と、あちこち物色して歩いて、呼び込みのお姉さんに、「あんたたち、日本人?」と聞かれ、「そうだよ」と、答えると、「クスクス、チョーオイシイ!」と日本語で言われ、思わず笑ってしまって、そのクスクス屋さんに入ることにしました。 「クスクスなんて、家でも食べれるじゃん」と思いつつ、あきちゃんは鶏、アミは羊、私は、メルゲースを注文して、出ました、でっかいお肉と、スムールと呼ばれるポロポロのデュラムセモリナでできた粉、そしてズッキーニ、ニンジン、蕪、ヒヨコ豆などがたっぷり入ったスープが運ばれてきました。 「ねえねえ、みどさん、フライドポテト頼まない?」 「え!クスクス屋で?」 「だって、食べたいんだもん」 「そうだよ、おかあさん、頼もうよ!」 このふたり、フリットと呼ばれるフライドポテトの魅力にすっかりはまってしまい、どこでもいつでも、フリットを食べたがるようになってしまいました。 ふたりの懇願に負けて、仕方なくフリットを一皿注文。 「おいしいねえ、このズッキーニ!」 「フリットもだよ、あきちゃん!」 確かに、日本で私もクスクスを作るけど、このフランスの野菜たちの勢いとでも言うのでしょうか、これだけはどうにもならないもんね... 「そうだ!あんたたちに、大事なこと言うの忘れてたよ!」 「なあに?」 「クスクスは後でものすごく胃の中で膨れるから、ほどほどにしときなよ」 あきちゃんは小食だから、そんな心配はないけど、アミはとにかくよく食べるので、食べ過ぎに釘をさしてみたものの、時すでに遅し。 ガッツリ食べてしまっていて、かなり後で苦しむことになってしまいました。 ホテルに帰ったら、断水しているというハプニング付きで、パリ第1夜は過ぎていきました。 |
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第7日目 朝市彷徨 |
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| 朝、目を覚ました私達は、勇んで市場に出かけていきました。 色鮮やかな野菜や果物、魚、肉、バター、チーズ。 珍しいものばかりで、あれも欲しいこれも欲しいとなり、結局、レタス、マーシュ、ホワイトアスパラ、ポワロ葱、ジャガイモ、ライチやリンゴ類、ラングスティーヌ、仔牛肉、ベーコン、バターなどを買いました。 ヨーロッパはユーロに貨幣が統一されて、国境を超える旅行には便利かもしれませんが、市場に行って、ものすごく耳が疲れました。 「ジャガイモ300gとリンゴを4個ください」 「はいよ。2ユーロ30サンチームだよ」 「はい?」 今までになかった、ユーロと言う発音。これがフランス語をやっていらっしゃる方なら、わかっていただけるかと思いますが、ものすごく曲者で、数字によっては、リエゾンして、濁点が入った、濁った音になるのです。 スーパーや小売店だと、価格表示がされているので、そんなに大変だとは思ってなかったのですが、このリエゾンに、私は、ついていけず、志村けんのおばあちゃんのコントみたいなことになってしまい、 「あんだって?」 「2ユーロ30サンチーム!」 「あ...はいはい。2ユーロのことね。はいよ」と、やっと支払いを終える始末。 しかも、あきちゃんとアミはこんな私の苦労も知らずに、どんどん、次あれ、そしたらこれ!と、あれこれ、いろんなものを細かく買っていくから、志村ばあちゃんは、たまりません。 2時間近く買い物をして、「も、もう...聞き取れない。耳を休ませてくれ...」と、ギブアップ。 やっとのことで、買い物はふたりに勘弁してもらいました。 急いで朝ごはんを済ませて、3人でサン・ジェルマン・デ・プレに。 今までと違う都会のお店をいろいろと見てまわって、あきちゃんが靴を、アミは帽子とマフラーを購入しました。 アミは今までずっと楽しそうにしていたのに、パリのサン・ジェルマン・デ・プレは、ちょっと退屈だったようで、なんと、雨が降って濡れているパリの石畳に、何故か仰向けにひっくり返ってしまいました。 その様子は、なんだか奈落の底に、「あああ〜」と、言いながら落ちていくようで。 旅行をしていて、田舎ののんびりしたところから入って、急に都会に入ると、都会の雑然とした無遠慮さのようなものに、感覚が追いついていかず、やたらと違和感を感じた経験が私にも何度かあります。 アミも都会のそういうところに、ちょっとやられてしまったのでしょう。 ちょっと可哀相になってしまいました。 カフェに入って、ココアを注文して、やっとアミに笑顔が戻り、メトロでホテルの近くまで戻り、スーパーで買い物。 パンにつけて食べるタラマ、クレーム・フレッシュ、あと私のオススメ、デザートにヴィエノワキャフェを買って、早々にホテルに帰宅。 そのまま、あきちゃんと私、助手のアミは、キッチンで朝買った大量の食材と格闘を始めました。 ものすごい勢いでアスパラやジャガイモを茹で、レタスとマーシュでグリーンサラダを作るあきちゃん。 私はクレームフレッシュを使ったエスカロップ・ド・ヴォー、ラングスティーヌの白ワイン蒸しを作り、買ってきたパンを添えて、いただきま〜す。 そして、その夜は、3人でゆっくりといろんな話をしながら、食事をしました。 私は40代、あきちゃんは30代前半、そしてアミは10代になったばかり。私とアミは親子だから、共通の話題もあります。そして、あきちゃんと私も友達だから、もちろんいろいろと話すことがあります。で、あきちゃんとアミ。このふたりが、なんとも不思議。ウマがあうというのでしょうか。アミの話すひとつひとつの言葉を、あきちゃんが、とても楽しんでいるくれている感じで、アミも優しいあきちゃんの話に引き込まれ、いつまでも時間を忘れて、3人で笑いながら話を続けてしまうのです。 あきちゃんは、もっと日本でも知られているシックなケーキ屋さんや高級なブティックに連れていってあげた方がいいのかなと、思ったりもしましたが、私はあまりそういうところは居心地がよくないし、興味がないので、偶然通りかかりでもしない限り、わざわざ探して入ったりはしませんでした。 彼女が私達の旅行に一緒に来たいと言った時点で、私が彼女に見てもらいたかったもの、私が彼女とアミに見せてあげられるものは、すましたパリではなく、もっと普通の、観光客向けに背伸びをしていない、笑ったり怒ったり、ちょっとマヌケだったり、そんな普段着のフランスだったからです。 シックなパリ、それはいつか、私達以外の、例えばあきちゃんの素敵なご主人や、あきちゃんを普段取り巻いている、もっとスノッブなお友達と一緒にいつか旅をしてみてください。 |
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| 第8日目 食い倒れ またまたサン・ミッシェルに出向き、クレープ屋でガレットというそば粉のクレープでちょっと早めのお昼を食べました。 ここでも、ジャガイモの会のメンバーふたりのリクエストにより、フリットを注文。 大好きなフリットに元気に塩を振ろうとして、塩の蓋が外れ、いきなり塩まみれフリットにしてしまったあきちゃん。一瞬顔がポカンとしていて、私は大笑いしてしまいました。ごめんね、あきちゃん。 そして、あきちゃんが行きたいというので、クリニャンクールの蚤の市に。 ここでも、アミがブルーになってしまい、買い物も早々に引き上げてきてしまいました。 そして、「アミがパリに行ったら、船に乗せてやってくれ」と、パパからの強い希望があったので、バトームーシュに乗船。 セーヌ川沿いの主たる橋、建造物を見ながら観光して、パパへの義理は果たした気分に。 そして、船を降りて、今度はオルセー美術館へ。 私もそんなに詳しいわけではないので、だんだん私の知っている絵画に関する話も尽きてきてしまい、案の定アミは飽きてしまいました。 そして、夜は恒例(?)北京ダックを食べに13区の中華街へ。北京ダックを格安で食べられるので、なんかベタだなあ...と思いつつも、いつもパリに来たらここに足を運んでしまいます。 ダックと焼きそば、そしてダックのスープが出てきます。普段はパパと一緒なので、あまり感じていませんでしたが、結構ヘビーな量です。 私とあきちゃんは早々にギブアップしてしまい、アミが「もったいないから!」と、食べ続けていましたが、最後は「油にやられた...」と、そっと胃薬を飲んでおりました。 ご苦労さん、アミ。 |
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| 第9日目 やっぱ、だんだんグダグダに… 朝、アミは爆睡していたので、あきちゃんとふたり、アミを置いてふたりで、パリの最大の目的地モラへ! ここでも、あきちゃんとサントノーレの口金を取り合いしたり、ケークドロワ型の取り合いなど、し烈な争いを続けながら細々としたお菓子の道具を購入しました。 そして、アー・シモン、ドゥイルランとまわって、ちょっと疲れたので、レアール近辺のカフェであきちゃんと休憩。 「カフェオレとクロワッサンで定番朝メニューを食べようよ!」と、ふたり同じように、クロワッサンを頬張ったら、 「ん?」「なにこれ!」 ふたり同時に顔を見合わせました。 「お、おいしい!」 「ね、ここで作ってるのかな?」 「まさか。近くのパン屋で買ってるんだよ、きっと」 カフェのギャルソンに聞いてみようと言うことになり、 「このクロワッサン、おいしいんだけど、どこで買ってるんですか?」と質問してみました。 「えー?どこでって、知らないよそんなこと。このへんのどっかだろ!」 「...だって」 「えー!なんでなの?ひどい!」 ひどくないよ、あきちゃん。これがパリのサービス事情だよ。そう思いつつ、私たちはその近所のパン屋を探しつつ、キョロキョロとレ・アールを散策。 そしたら、ピンとくる、カフェにほど近い一軒のパン屋を発見しました! 「ここ、2004年度、すんばらしいクロワッサンのお店、に選ばれた店らしいよ!」 そう書かれたシールが貼ってあったので、私たちはその店に駆け込んで、クロワッサンを大量に買いました。 ギャルソンがおいしいクロワッサンの店を知らなかったのは、そう驚くことではないことです。だって、特別、「あの店や〜!」と、行列したり、走って買いにいったりしなくても、そこらへんで買っても、クロワッサンは、そこそこおいしいですから。 強いて言うなら、私はクロワッサン・オ・ブールをオススメします。クロワッサン・オルディネールよりも、たぶん…ハイカロリーだけど、こっちの方がバターの風味が強くて、おいしいから。たまの旅行ですから、ぜひ、ブールの方を恐れずに買ってみてやってください。 「ケーキの型と道具、そしてクロワッサン、素晴らしい!」 まさに意気揚々と私たちは、アミが待っているホテルに帰っていきました。 まさかそのあと、とんでもない事実が待っているとは、夢にも思わずに... ホテルに慌てて戻ると、もう昼をとっくに過ぎていたのに、アミはまだグッスリ眠っていました。 「アミ、起きて!」 「うーん...おかあさん、あきちゃん、お帰りなさい...」 アミをたたき起こして、またまた買ってきた目茶ウマクロワッサンを3人で食べて、今度は、アミも連れてジャン・ミエに行きました。 そこで、サランボ、シブースト、杏のタルト、アグリウムのマカロン、エトセトラエトセトラ…またまた食べまくって、ため息。 「おいしいねえ、おいしいねえ。」 「なんかもっと買って帰ろう」 おみやげにタルトとトリュフの入ったブーシュを買って、そしてあちこちブラブラしながら帰宅。 ここまでは、とても順調だったのです。 この先のことは、もうあまりのバカバカしさに、私の頭から消去したいとも思い、こんなアホな話を全世界にインターネットで公表するのって、いったい...どこまで私ってバカなんだろうとも思い、生徒さんにもきっと突っ込まれるし、あきちゃんも私のペースにはまってしまって、同じようにバカバカしい目に合わせてしまったと深く反省して、パリ篇を再度書く気になるまでなんと2年も要してしまいました。 前置きはこの辺で、おいておいて、私たちは、買い物を済ませて、上機嫌でホテルに戻ってきました。 「明日はシテ島とか、大きなエピスリーにも行ってみようね!」 そして、テレビを付けたのです。 ちょうど天気予報をやっていて、日付がくっきりと出ていました。 「……」 日付を見ていて、ものすごーく、ひっかかるものがあり、 「あきちゃん、今日って何日?」 「3月○日よ」 「私達って、いつ帰るの?」 「え...だから、みどさん、○日って言ったじゃない」 「......」 あきちゃんと私、ふたりして、同時に走って、自分のトランクの中にしまってある、旅程表を出してにらみつけました。 「明日じゃん!」 「うそ!明日帰るの?」 そうです。私たちは帰る日にちを1日、勘違いしていたのです。 もう、ふたりで大パニック。 「アミ、アミ、早く、準備するんだよ!」 「え?なあに?」 ゲームで遊んでいたアミは、なんのことかわからず、ポカンとしています。 「おかあさん、帰る日を1日間違えてたよ!」 「え?おかあさん、帰るっていつ?」 「明日帰るの!」 「え〜〜〜!」 私たちは大急ぎで帰り支度を始めました。 ゆっくり感傷にひたるヒマもありません。 やっと荷造りが終わって、ぐったりして、3人で近くのブルゴーニュ料理のビストロ「Cave la Bourgogne」に行きました。 「またさ、3人で来ようよ!アミももうあと何年かしたら、お皿とかカップとか、見るのも好きになってると思うよ!」と、アミ。 「そうだね、また3人で、いつか来ようね」 あきちゃんがニコニコしながら、そう言ってくれました。 「うん、うん。そうだね、そうしようね」 本当にふたりの優しい言葉に、どうしたらいいんだかわからないくらい、グッときつつ、私はフリットをまたまた食べていました。 また3人でいつの日か、おいしいフリット食べようね。 |
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| 第10目 帰る日 「みどさん明日何時に出るの?」 「私たちは早朝。あきちゃんは?」 あきちゃんと私は、別々の航空会社を利用していたので、当然タイムラグがありました。 「え?そんな早いの?」 「だって...前来た時、帰りがすごく大変だったんだもん」 前回パリからパパと帰ったとき、それこそ、荷物の重量オーバーに引っかかり、そりゃもう、死闘を繰り広げた私は、それがものすごいトラウマになっていたのです。 (詳しくは前回の旅行記をご覧ください。) そして、今回帰国の際に、一番心配していたこと、パリのシャルル・ド・ゴール空港は、第1ターミナルと第2ターミナルに分れたのですが、それを利用するのも初めてで、それがものすごく心配だったのです。 朝7時には、私とアミはあきちゃんと別れて、バス、RERと乗り継いで、なんとかシャルル・ド・ゴール空港にに到着しました。 そこで、私は、第1?第2?どっち?と、駅のホームで、自分が乗ってきた航空会社の出発場所を探しました。でも、全然わからない。 仕方なく、駅の職員風のおじさんに聞いてみました。 「第1ターミナルでしょう」と、おじさん。 今度は空港内を巡回しているバスに乗り込んで、第1ターミナルへ。 で、掲示板を見てもようわからんので、その辺を歩いている職員風にひとに聞いてみたけど、これがますます混迷を極めることに。 「〇〇でオランダへ?そりゃ、たぶん第2ですよ」 「え?第2?どーしよ..間違えたってこと?.」 出発時間は迫ってきているし、焦った私は、巡回バスを探すも、なんだかこれも走ってても、必ず停まってくれるわけではないらしく、ますます私は大汗をかいてきてしまいました。 「おかあさん...アミ、家に帰れる?」 「大丈夫。絶対おかあさんがアミを家に連れて帰ってあげるから」 めそめそ泣き出したアミを励ましつつ、私はタクシーに目をつけました。 「アミ、タクシーで第2ターミナルへ行ってみよう!」 「うん!」 で、タクシーのおじさんに、第2まで行ってもらいたいんだけど...と行ってみた。 「え!第2に?やだよ」と、あっさり。 「そんなこと言わないで。お願いしますよ。こっちは飛行機に乗り遅れそうなんだから」 「ダメダメ、おれなんて40分もここで待ってんだよ」 「もう...じゃ、わかったよ、10ユーロ出すからお願い!」 「え〜20ユーロだったら行ってもいいよ」 ちくしょう...オヤジ、足元みやがって。 でも仕方ない、いいよじゃ、20ユーロ払ってやろうじゃねえか! 私たちはオヤジとの交渉にやぶれ、タクシーでほんのちょっとの距離を走ってもらって、第2ターミナルへ。 タクシーの支払いのとき、「アミ、おかあさんに20ユーロ貸して!」 「え?おかあさんに?」 「おかあさん、ユーロもうないもん。後で日本円で返すから、貸してよ!」 「やだーやだー。アミ、スキポール空港でチーズ買うんだもん」 「バカ!スキポールでチーズ買うんだって、飛行機に乗れてこそじゃんか!」 我ながらなんて親でしょう。娘のこずかいを取り上げるなんて... でも、とにかく20ユーロを、あんまり納得していないアミからむしりとるようにして借りて、やっと第2に滑り込みました。 そしたら、なんだか、第2ターミナルはしょぼいというか、地味な感じ... また、その辺の空港職員に聞いたら、「わからないわ」だって。 ギャー!もうどうすりゃいいんじゃい!と、切れかけた瞬間、 走っている数人の、どう見ても日本のおじさんおばさんに遭遇。 その先頭にたって走っている方は、見た感じツアーガイドさんらしく、その方を追いかけて、聞いてみたら、 「私たちもターミナルを間違えてしまったの。あなたの航空会社も第1ターミナルですよ。今からバスが来るからすぐに乗って一緒に行きましょう!」 「はいっ!」 聞きたがりのアミも、もうなにも言わずに、そのひとについて、無言で唇を噛みしめ、必死に走って一緒に巡回バスに乗りました。 そして、バスから降りて、走って走って...やっとなんとか間に合って、私たちは滑り込みセーフで、飛行機に乗ることができました。 あの時のツアーガイドさん、本当にありがとうございました。あなたがターミナルを間違えていなかったら、たぶん私たちはあの飛行機に乗ることはできなかったと思います。 後で、あきちゃんに聞いたら、あきちゃんは、パリ到着・パリ発の直行便だったので、全然何の迷いもなく第1ターミナルに行って、普通に飛行機に乗って帰ってこれたそうです。そうだよね、それが普通だよね… 今回の帰国も前回と同様、見事に子供まで巻き込んで、大騒ぎに見舞われてしまいました。 だけど、今でもアミが夢見るように、 「おいしかったなあ。あん時のラングスティーヌやホワイトアスパラガス!」と言うのを聞くと、大変だったけど、やっぱりアミとあきちゃんと、一緒に旅をしてよかったと思います。 旅の記憶は時間がたっても、時折り鮮やかに蘇ります。 いつかまた、あの子が成長して自分でフランスに行くことがあったら、小さかった自分を懐かしく振り返ってくれるでしょうか。 そして自分の母親が、ものすごくグダグダでアホだったことも...。 完 |