| お菓子の助っ人 |
エキュモアール
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écumoire |
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最初にエキュモアールを見たのは、フランス人の家の台所。真剣に「おたま?」と思った記憶がある。
そのときは、まさかこのおたまを使って、自分がお菓子を作ることになるなんて、夢にも思わなかった。
今使っているエキュモアールは、3本。
小さいのは、イル・プルーの弓田先生考案、ミニエキュモアール。
これは、一台分のジェノワーズ、ビスキュイなどを混ぜるときに使っている。
中くらいのエキュモアールは、キッチンエイドの深いボウルで生地を混ぜる場合、木ベラなどを使うよりも、簡単に生地が混ざっていくし、そのほか果物を煮た
りするときに、このたくさんあいた穴からアクをすくったり、シロップを切って、取り出したり、とても重宝する優れものだ。大は、10コートミキサーで大量
に生地を仕込むときに使用と、3本のエキュモアールを使い分けている。
ジェノワーズやビスキュイの粉を入れる時に、泡立てに便利な深いボウルだと、混ぜの作業がちょっとやりにくい。
そこで、いったん平たいボウルに生地をうつしかえたり、プロの職人さんは素手で混ぜたりするのだが、エキュモアールがあれば、ジェノワーズ、ビスキュイの混ぜは、もう、できたも同然なんだから、エキュモ様に足を向けて寝られない。
使い方はコツを覚えれば簡単で、鉛筆をもつように持ち、ボウルに、直角になるようにエキュモアールをすっと入れる。
そして、そのまま自分の方にエキュモアールを引き、エキュモアールがボウルの側面に当たったら、手首をかえすようにして生地を上に軽くすくい上げ、同時
に、もう一方の手で少しだけボウルを動かす。これの繰り返しだ。わかるかな…こんな説明で?
これだけで簡単に生地と粉が混ざっていくのだから、テクニッマジック!素晴らしい!
まえに、友だちの、フレンチレストランのシェフ、ヒャクちゃんが、
「フランス人は日本人と違って、とても不器用なんだよ。だから、こんな風にいろんな便利な道具を、作りだしたんだ」と、言った言葉を、エキュモアールを見るたびに思い出す。
かく言う私もかなり不器用だ。
パリに住んでいた頃、近所でよく買って食べたブランジュリーのタルトや焼菓子は、かならずしも宝石のような緻密さや、美しさはなかった。
だけど、素朴な温かみのあるお菓子は、十分に私のことを幸せにしてくれた。
名店と言われるお店のお菓子に、当然、憧れもあるけれど、残念ながら私にはそんなお菓子は作れそうにない。それでいいと思う。
趣味で作っている方でも、焼けたジェノワーズに大きく空いた気泡や、生地の焼き縮みをとても気にする方がいるけれど、自分で食べて、おいしかったら、それでいいんじゃない?と、つい言いたくなってしまう方だし。
確かに見た目がものすごく悪いと、がっかりしてしまうけれど、細かいことよりも、もっと大切なことがあるんじゃないかと思ってしまうのだ。必要以上に細か
いことに捕らわれずに、愛情をかけて作ったお菓子の味や、そこに集っているみんなの笑顔を楽しみたい。
話がそれてしまったけど、エキュモアールは、コツさえつかんでしまえば、不器用な私にだって「混ぜ」の作業ができるのだ。
もしも機会があったら、みなさんもエキュモアール一本、ぜひお試しあれ! |
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