命令形 impératif
ルセットでは、多くの場合、命令形が使われます。つまり、「〜してください。」ということです。
フランス語は、人称などによって動詞の語尾が変化します。例えば、ルセットの中にも出てきた
separer 分ける、という動詞で見ると、

 
je sépare          (私は分ける)
 
tu sépares        (君は分ける)
 
il (elle) sépare      (彼・彼女は分ける)
 
nous séparons      (私たちは分ける)
 
vous séparez       (あなたは分ける)
 
ils (elles) séparent   (彼らは分ける)

フ ランス語を習うときの煩わしさの一番目は、この、動詞の活用です。すべての動詞が同じように変化してくれるのなら良いのですが、語尾のスペルの違いなどに よって、何通りかのパターンがあり、意外と不規則だったりして、実に面倒です。しかし、主語があいまいで済む日本語と違い、主語を明確にするフランス語に とっては、この、動詞の活用は重要なのです。逆に言うと、動詞の変化が、時間により、状況により、細分化されているからこそ、さまざまな関係性が明確にさ れる、というメリットもあるわけです。
しかし、こと、ルセットに限ってみれば、必要なのは、ほとんど命令形だけ。
命令形には、2種類あります。つまり、親しい間柄でのもの、そして、丁寧語です。上記の活用を見てください。二人称をあらわす主語がふたつあります。すなわち、
tu (君)、 vous (あなた) です。例えばtu sépares という文章から、主語のtuを抜かし、sépare とすると、「分けろ」という命令形になります。同じように、vous séparez という文章から、vous を抜かして、séparez とすれば、「分けてください。」という命令形になります。ルセットで使われる命令形は、こちらの、丁寧な方です。ちなみに、vous は、二人称単数、つまり、あなた、を表すこともあれば、二人称複数、つまり、君たち、あなた方、を表すこともあります。

そして、丁寧な命令形は、語尾が、
ez で終わります。ですから、この、ezは、語尾の変化であると考えて、辞書を引いてみてください。例えば、separez ですと、その原形、正確に言うと、不定形は、séparer です。辞書には、この形で出ています。原形、つまり、何の変化もまだしていない、もとの言葉です。
ただ、このへんの変化には、いくつかの異なるパターンがあって、じゃあ、例えば、
finissez 終わらせてください、なんていう命令形があったとして、この原形も、じゃあ、finisser か、というと、そうではなくて、finir なんですね。
ですから、実は、命令形から原形を逆算する、というのは、法則を知らないと、難しいことだし、ある意味、邪道なのです。
ただ、何度も繰り返すように、ルセットで使われる動詞というのは、そう沢山あるわけではありません。定番のように使われる動詞については、20〜30語でも把握していれば、とりあえずは充分なのではないでしょうか。
それ以上は、もう、やっぱり、辞書の巻末には必ずついている動詞の活用表を見たり、入門書を覗いたりして、ある程度、パターンを認識するしかなくなってきます。

ルセットの動詞は、多くが命令形である、と書きましたが、不定形そのままで出てくる場合も少なくありません。つまり、
séparer le blanc et le jaune de 2oeufs などという書き方です。主語が限定できませんが、逆に、これなら、楽です。出てきた動詞を、そのまま辞書で探せば良いのですから。